「Webデザイナーとは?」に現役のWebデザイナーが答えます

Webデザイナーとは?――未経験から「問題解決のプロ」になる道

Webデザイナーという仕事に、あなたはどんなイメージを持っていますか?

「なんだかおしゃれで、かっこいいサイトをサクサク作る人」でしょうか? もちろんそれも正解ですが、それはWebデザイナーの仕事のほんの一部に過ぎません。実はWebデザイナーとは、単に見た目を整えるだけでなく、**デザインの力で人々の課題を解決する「問題解決のプロフェッショナル」**なのです。

もしかしたら、あなたは今、全く違う仕事をされているかもしれません。今回の記事のベースとなった方も、実は美容師からWebデザイナーへとキャリアチェンジを果たしました。デザインやアートに魅了され、独学でスキルを身につけ、今やフリーランスとして活躍されています。

未経験からでも挑戦できるのがWebデザインの魅力の一つです。この記事では、Webデザイナーの仕事内容からやりがい、そして目指すために必要なことまで、詳しく解説していきます。


Webデザイナーの仕事は「デザイン」の前からはじまっている

Webサイト制作におけるWebデザイナーの仕事は、決して一人で黙々と画面をデザインすることだけではありません。むしろ、デザインを始める前の準備段階が非常に重要です。

1. クライアントとの綿密なヒアリング

まず、クライアントの要望を深く理解するために、徹底的なヒアリングを行います。「どんなサイトを作りたいか」「ターゲットは誰か」「サイトを通して何を達成したいか」といった目的やゴールを明確にします。例えば、「製品の売上を上げたい」のか、「企業のブランドイメージを向上させたい」のかによって、最適なデザインは全く異なります。

2. サイトの設計図となる「ワイヤーフレーム」の作成

ヒアリングで得た情報を元に、サイトの骨組みとなるワイヤーフレーム(Wireframe)を作成します。これは、Webサイトのレイアウトやコンテンツの配置を単純な線や四角で表した設計図のようなものです。 「この場所に写真、ここにテキスト、このボタンはここ」といった形で、ユーザーが迷わずに情報にたどり着けるよう、情報設計を行います。この段階で、いかにユーザーにとって使いやすいか(UI/UX)を徹底的に考え抜くことが成功のカギとなります。


創造性を形にする「デザインとコーディング」

いよいよ、Webデザイナーの腕の見せ所です。ワイヤーフレームを元に、ビジュアルデザインとコーディングを進めていきます。

1. ビジュアルデザイン

PhotoshopやIllustrator、Figmaといったデザインツールを駆使して、ウェブサイトの見た目を作っていきます。配色、フォント、写真、イラストなどを選び、サイトの雰囲気やブランドイメージを形にしていきます。この作業は、ワイヤーフレームという骨組みに肉付けをしていくようなものです。

2. コーディング

デザインが完成したら、HTML、CSS、そして必要に応じてJavaScriptを使って、ウェブサイトを実際に動く形にしていきます。HTMLは文章構造を定義し、CSSは色やレイアウトといった装飾を担います。JavaScriptは、動きのあるアニメーションや機能を追加するために使われます。これらは、デザインをウェブブラウザ上で正確に再現するための不可欠な技術です。

また、近年はスマートフォンやタブレットからのアクセスが主流になっているため、どんなデバイスで見ても最適に表示されるように設計する「レスポンシブデザイン」も必須のスキルとなっています。


Webデザイナーのやりがいと多様なキャリアパス

Webデザイナーの仕事は、Webサイトを納品して終わりではありません。公開後も、アクセス解析を行い、ユーザーの行動データを分析してサイトを改善していく役割を担うこともあります。この「作って、分析して、改善する」というPDCAサイクルを回すことで、より良いウェブサイトを育てていくことができます。

この仕事の大きな魅力は、何といっても「自分の創造性が形になり、人々の役に立つ」ことです。

創造性と貢献の喜び

フリーランスとしてNPO関連の案件を数多く手掛けた例があるように、Webデザインの力で社会貢献をすることも可能です。自分がデザインしたサイトが、誰かの役に立ったり、ビジネスの成果につながったりする瞬間に、大きなやりがいを感じることができます。

働き方の選択肢

Webデザイナーの働き方は多岐にわたります。

  • 制作会社に勤務: 複数のクライアント案件に携わり、多様な経験を積むことができます。
  • 事業会社のインハウスデザイナー: 自社のサービスやプロダクトのデザインに特化して、じっくりと向き合えます。
  • フリーランス: 時間や場所に縛られず、自分の好きな案件を選んで働くことができます。自己紹介文にあったように、安定した収益を得ることも夢ではありません。

Webデザイナーになるために必要なこと

では、Webデザイナーになるためには、具体的に何を学べば良いのでしょうか。

1. デザインツールを使いこなす

PhotoshopやIllustrator、Figmaなどのデザインツールは必須です。まずは無料のチュートリアルや書籍で使い方を学び、実際に手を動かしてみましょう。

2. コーディングの基礎知識を身につける

プログラミングと聞くと難しく感じるかもしれませんが、HTMLとCSSの基礎は比較的学びやすいです。サイトの構造を理解するためにも、ぜひ挑戦してみてください。

3. UI/UXの視点を養う

「なぜこのボタンはここにあるのか?」「なぜこの色は使われているのか?」といった疑問を常に持ち、ユーザーの視点で物事を考える習慣をつけましょう。

4. ポートフォリオを作成する

自分のスキルを証明するためには、ポートフォリオサイトが不可欠です。架空のサイトでも、既存サイトをリデザインするものでも構いません。学んだことを形にして、自分の作品をどんどん増やしていきましょう。


まとめ:Webデザイナーは未来をデザインする仕事

Webデザインは、常に新しい技術が生まれる変化の激しい業界です。しかし、その根底にある「人々の課題を解決する」という本質は変わりません。

Webデザイナーとは、単なる技術者やアーティストではなく、クライアントとユーザーをつなぎ、未来をより良くするための「コミュニケーションをデザインする人」だと言えるでしょう。

もし今、あなたが少しでもWebデザインに興味を持ったなら、まずは一歩踏み出してみましょう。独学でも十分にスキルを身につけられる時代です。あなたの「やってみたい」という情熱が、きっと新たなキャリアの扉を開いてくれるはずです。